腎臓は小さな臓器ではあるものの、血液のろ過し、老廃物や余分な水分・毒素の排出、さらには血圧の調整など、生命を維持していく上で大切な役割を担っています。もし、腎臓の機能が低下して腎不全となれば、人は生きていくことが困難になります。万が一、腎不全に陥った場合は、腎臓の機能を補う透析療法や、腎移植といった治療が必要になります。
透析治療には、機械に血液を通し綺麗にする血液透析や、お腹の膜を利用して透析を行う腹膜透析などがあります。ただし、これらの治療を行っても完全に腎臓の代行はできません。そのため、透析だけでなく、服薬や食事管理、生活改善を行わなければならなくなります。腎移植を行わない限り、永久的に透析治療が行われることになるのです。
また、血液透析は血液を体の外に出して循環させるため、静脈と動脈を繋ぐ手術が必要になります。腹膜透析もカテーテルと言われるチューブを腹部に埋め込む手術を行います。このように永久的に続く治療のみならず、透析を行うための手術もある事から、患者さんは先々の生活に不安を抱くものです。医療従事者は、患者さんのこうした気持ちをしっかりと汲み取り、ライフスタイルや年齢などあらゆる面を考慮したうえで、適切な治療を行わなければなりません。特に看護師は、透析中に患者さんと一番長く時間を過ごすことになります。現場では患者さんの不安に寄り添ながら、丁寧に心身のケアを行うことが求められます。