患者さんの透析を担う看護師の役割

透析とは、慢性的な腎不全などが原因で腎機能が低下してしまった人に対して行う、血液のろ過治療のことです。この治療法には、血液透析の他に腹膜透析という方法もあります。前者の血液透析は、定期的に患者さんに通院してもらいながら行うスタイルの透析方法になり、基本的には週3回程度の通院が必要となります。一方、後者の腹膜透析は、患者さんが自宅などで行う透析方法です。通院は月に1回から2回程度、必要になります。

そんな透析室に属する看護師は、透析治療に関わる業務一般を担うことになります。透析室看護師に求められる役割は、大きく3つに分けられます。1つ目は、透析の準備から完了までの作業です。透析には専用の医療機器を使用します。その医療機器の準備や、患者さんの事前バイタルチェック、穿刺・抜針、そして止血までを一連の作業として行っていきます。

2つ目は、透析中の患者さんの看護です。透析は1回につき、4時間から5時間程度かかる長丁場の治療法です。そのため、途中で体調を崩してしまう患者さんも少なくありません。こうした状態に陥る前に、患者さんの状態を定期的にチェックして、安全かつ安心して治療が行えるようにする必要があるのです。

そして3つ目は、患者さんの生活指導や健康管理です。透析治療を受けている患者さんは、食事制限や体重管理、そしてシャント管理など、日常生活において気を付けなければならないことがたくさんあります。それらを理解し、実践してもらうためには、看護師の適切な指導が欠かせません。