透析室で働く看護師は、病棟看護師などとは違い、専門的な知識やスキルが求められます。患者さんへの治療の際も、透析室でしか行わないような医療行為が出てくるものです。たとえば、透析機器の取り扱いや、シャントへの穿刺などがあります。ピンポイントな業務が多くなるため、透析室でしか行わない専門的なスキルがしっかり身につくでしょう。しかしその反面、病棟で行うような看護を実践する機会が少なくなり、一般的な看護スキルが低下する可能性があります。将来的に他の科でも看護を学びたいと考えているのなら、透析室で働くかどうかは慎重になった方が良いかもしれません。

透析の作業内容は、ほぼ同じルーティンの繰り返しとなります。業務としては変化が少ないため、慣れてくるとつまらなく感じる人もいるでしょう。しかし、時間管理や体重管理など、業務自体は気を抜くことができない大事なものばかりです。正確なルーティン作業の重要性を理解すれば、透析室での仕事のやりがいを実感することができるでしょう。

そして透析室は、ずっと同じ患者さんが継続的に通う場所です。そのため、苦手な患者さんがいれば、それだけでずっとストレスを感じるようなケースも少なくありません。とはいえ、患者さん自身も、永久的に透析をしなければならないというストレスを抱えているものです。どんなに苦手な患者さんでも、気持ちを汲み取って、寄り添う姿勢を持つことが大事です。もちろんそのためには、看護師自身が心に余裕を作っておく必要があります。仕事のストレス発散ができる環境をつくり、感情のコントロールができる状態を作っておくのが望ましいです。